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ヨーロッパ最高のフルバック、リー・ハーフペニー、トゥーロンで復活の新シーズンを迎える。

2014/07/22

 今の欧州ラグビー界は、才能溢れるフルバックの宝庫。今季のシックスネイションズでMVPに選ばれたイングランドのマイク・ブラウン。アイルランド代表、レンスターで不動のフルバックを務めるロブ・カーニー。昨年からフランス代表の15番の定位置を掴んだブリス・デュラン。22歳の若さながら、昨夏のライオンズツアーにも招集されたスコットランドの期待の星、スチュワート・ホッグ。その中でも、すべてのプレーの完成度と世界一とも言われるプレースキックの精度で、ヨーロッパ最高のフルバックと言われているのが、ウェールズ代表のリー・ハーフペニー。

 

 25歳で48キャップを数え、2013年のシックスネイションズと24年ぶりにオーストラリア相手に勝ち越したブリティッシュアンドアイリッシュライオンズツアーでそれぞれ最優秀選手に選ばれたハーフペニーは、新シーズンの移籍市場の一番の目玉だった。代表選手の国外流出にともなう国内クラブの欧州シーンでの競争力低下とサッカー人気の盛り上がりに頭を悩ませるウェールズラグビー界で、元所属クラブのカーディフ・ブルーズはハーフペニーの移籍を思いとどまらせるべくあらゆる手を打ったが、現在ハイネケンカップ2連覇中のフランスのトゥーロンが提示した年俸6600万円の契約に打つ手はなかった。

 

 3月のイングランド戦で脱臼した右肩は完治。ハーフペニーは現在、トゥーロンのプレシーズンキャンプを涼しいアルプスのティーニュで順調に送っている。「トゥーロンでプレーするのは、個人的にも、ラグビーにおいても本当のチャレンジだよ。それが僕が探していたものだ。いち早くチームにとけ込むためにもフランスの習慣を学ばなくちゃいけない。それから、トゥーロンはトッププレーヤーの集まるファンタスティックなチームだ。クラブの目指すところは高いし、だから僕はここに来たんだ。トゥーロンはここ数年、本当に大きな成功を収めてきた。そのプロジェクトの中にいられるのは大きな喜びだよ。目標は、昨年同様の成績を残すこと(国内及び欧州カップの2冠)。簡単じゃない。他チームが待ち構えているし、自分たちにかかるプレッシャーもある。でも昨シーズン、選手たちはそれが可能だって証明した」と、未知の国での挑戦への意気込みを落ち着いて語る。

 

 また、昨シーズン限りで引退したジョニー・ウィルキンソンの後継者としてプレースキッカーの大役も担うことになる。「ジョニーは、すべての選手のお手本だよ。ラグビーの象徴だ。プレースキッカーとしてジョニーの跡を継ぐのは光栄だよ。たとえそれが簡単な仕事ではないとしても。でも、ジョニーはコーチとしてチームにいる。彼と練習をして、キック同様、他のスキルもレベルアップさせるためにアドバイスをもらえるのは特権だよ。」

 

 一番気に入ったのはトゥーロンのホームスタジアムであるマイヨールの雰囲気だと言うハーフペニー。「カーディフにいた時に来たけど、サポーターのあの熱気を見た時は信じられなかったよ」。今度は自らのプレーで、フランス一熱いトゥーロンサポーターを熱くさせられるか。ホーム開幕戦は1ヶ月後だ。

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