top of page

2014/07/20

 水曜日に、スーパーラグビーの統括団体であるSANZARのグレッグ・ピーターズ会長から、2016年から現在の15チームから18チームに拡大となるスーパーラグビーに、日本かシンガポールのチームが参入することが発表された。既に南アフリカのキングスの復帰とアルゼンチンのチームの参加が決まっており、最後の「アジア枠」を争う一騎打ちとなる。

 

 計画当初は成長著しいナミビアやケニアのアフリカ地域、また北アメリカのチームも対象となっていたが、地理的条件に加え、IRBが近年アジアをラグビー普及の重点地域に指定していることもあり、前評判通りにアジアの2カ国が最終候補に残ることとなった。

 

 「地理的条件に加えて、当然マネジメント面での条件もある。チームと新マーケットがSANZARにもたらすことになる収入。ラグビーを受け入れる条件が整っていること。そして当然フィールドにおけるパファーマンス。地元でハートを掴むことが出来るか、ファンを獲得、裾野を広げられるかも当然重要になってくる。なぜならスーパーラグビーそのものにとっても発展させるべきコンテンツだから」と、ピーターズはその選出条件を説明する。

 

 一方で、日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズは、日本が唯一の「論理的な選択」であるとし、もしSANZARがシンガポールを選ぶようなら「信頼をなくす」とプレッシャーをかける。「シンガポールにはラグビーの歴史はまったくない。ただパシフィックアイランダーズを連れてきてプレーさせるだけだよ」と続けて、「正しい選択ではないよ。クレイジーだ」とまで言い切る。「日本ラグビーは世界のトップ10に入って、世界で4番目の競技人口を誇る(いや、ちょっと吹かし過ぎじゃないかエディー?統計ではニュージーランドに次ぐ7番目のはず)。そして3番目の経済大国だ。2019年にはワールドカップを開催する」と、シンガポールに比べていかに日本が相応しいかを述べてから、「それでも、プロラグビーは金がすべてだ。だから今言ったような理由以外の経済的要因が絡んでくる」を釘を刺す。

 

 8月15日までに日本側から報告書が提出されることになっているが、チーム編成に関しては「ほぼ日本代表」。なぜはっきり「日本代表」とならないのかは、日本のクラブチームや大学との折り合い及び代表の日程との兼ね合いか、それとも、以前にオーストラリアラグビー協会会長のビル・プルバーが、「北半球のトッププレーヤーの中には、世界最高のリーグでキャリアを終えたがっている選手もいる」とした上で、新規参入チームがそれらの選手を獲得することも可能という見方を示したことに絡んでのことかもしれない。

 

 思うように進まない日本ラグビーの人気と裾野の拡大と環境整備。長年の念願であるスーパーラグビー参戦が決まれば、ノーサイド直前自陣インゴールからの逆転トライ並みの効果とインパクトを残すチャンスを、日本ラグビー界が得られることとなる(とりあえずはチャンスだけ。結果がついてこないと、成果は上がらない)。この先50年の日本ラグビーの運命を決めかねない判決がSANZARから下されるのは、9月から10月とのこと。

 

 秋に咲く桜が見たい。

1/1

Please reload

Copyright (c) kosuke hakoyama. All rights reserved.
本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。

bottom of page