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ミシャラクが日本に行く?

2014/07/24

 フランスでは7月頭、代表のフレデリック・ミシャラクが2015年のワールドカップ後に日本のトップリーグへ移籍するというニュースが流れた。今や、トップ14と同様かそれ以上のサラリーを提供できる世界で唯一のリーグとしてフランスでも知られ、引退間際の選手の墓場か出稼ぎ先といった目で見られている日本のトップリーグ。日本でプレーする初めてのフランス人トッププレーヤーになるかとメディアは色めき立った。

 

 フランスの名門トゥールーズでスクラムハーフとして18歳でデビューし、9ヶ月後には代表でスタンドオフとしてデビュー。以降、よくも悪くも常にフレンチフレアー振りを発揮。インスピレーション溢れるランと華麗なパスで魅せたかと思えば、諸刃の剣の軽いプレーとなかなか改善されないディフェンスはチームの足枷に。一時は代表での活躍で国民的スターになるも、安定しないプレー振りから近年はトリコロールから遠ざかることも多かった。ポジションも、自らはスタンドオフでのプレーを望むも、トゥールーズでは監督のギイ・ノベスからスタンドオフ失格の烙印を押され、10番でのプレーを望み、2007年、2011年と2度に渡りスーパーラグビーのシャークスへ移籍。2012年シーズンからはトゥーロンでプレーするも、代表監督時代はミシャラクをスタンドオフで使い続けた現トゥーロン監督のベルナール・ラポルトは当然のごとくジョニー・ウィルキンソンを絶対のスタンドオフとして起用。再びスクラムハーフとしてプレーすることを余儀なくされ、スクラムハーフでもスタンドオフでも2番手という位置づけで2シーズンを過ごすことになった。

 

 ウィルキンソンが昨シーズン限りで引退したことで、今季はトゥーロンでスタンドオフの椅子をマット・ギタウとジェームズ・オコナーの2人と争うと見られているが、現状ではミシャラクが一番手。ウィルキンソンとの比較に関しては、自らも「自分は誰の後継者でもない」と答えている通り、プレースタイルも異なれば求められる物も違う。そもそも、ウィルキンソンの後釜は、誰にも務まらない。ただ、ギタウはスタンドオフでも悪くないが、いいスタンドオフの横で使われて最も生きるタイプ。オコナーもセカンドボールでその能力をもっとも発揮すること考えれば、消去法でミシャラクのスタンドオフ起用が最も合理的となる。昨シーズン終盤は、トップ14のプレーオフ、ハイネケンカップの決勝とベンチからも外され、チームの2冠を悔しい思いで眺めることになったミシャラク。最後のワールドカップ出場もかかる今季に懸ける思いは強い。「長いシーズンになることはわかってる。目標はトゥーロンで再びタイトルを獲ること。その後でワールドカップ出場がついてくればいい」

 

 そんなミシャラクに降って湧いた日本移籍の噂。結局本人が昨日、「根も葉もない噂だよ。今のところトゥーロンとの契約が残っているし、それを全うしたい。おれは完全にトゥロネ(トゥーロンっ子)だよ。ここで幸せだ。このチームのスピリットを気に入っている。とてもプロフェッショナルなクラブで、自分に完璧にフィットしているよ」と否定したことで立ち消えとなったが、プレー同様その場その場の直感でクラブを選んできたミシャラク、あながちないとも言い切れない。

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