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元イングランド代表スタンドオフトビー・フラッド、キャリアの第2章をトゥールーズで開く。

2014/07/26

 元イングランド代表がまた1人ドーバー海峡を渡った。プレミアシップで最多の優勝を誇るレスターから、トップ14最多優勝のトゥールーズへ。タイガースに3度のプレミアシップタイトルをもたらしたイングランド代表60キャップを誇る28歳のスタンドオフは、ここ2年無冠に終わっているフランス一の名門が復活のために選んだ最重要ピース。フラッド契約の一報が流れた時には、「ああ。ちょっと聞いたところだと、そこそこいい選手だって?それにスタンドオフもセンターも出来るからって」と、23年間トゥールーズで監督を務めるフランスラグビー界の顔の1人であるギイ・ノベスはうそぶいたが、同様にスタンドオフとセンターでプレーできる元オールブラックスのルーク・マカリスターがいながら獲得したところを見ればフラッドに懸ける期待の大きさがわかる。

 

 国外リーグでプレーする選手は代表に呼ばない方針を採るイングランド代表ヘッドコーチのスチュアート・ランカスターは、昨シーズン、フラッドのフランス移籍の噂が流れるとプレミアシップに残るよう何度か説得を試みたが、代表でのオーウェン・ファレルに次ぐ2番手スタンドオフの位置付けをよしとせず、代表キャリアに終止符を打ってトゥールーズで新たな冒険に身を投じることを決めた。「スタッド・トゥールーザンのようなヨーロッパでも偉大なクラブからの誘いを断ることは出来なかった。世界最高のリーグの1つであるフランスでプレーすることはいつも頭の片隅にあったよ。それにギイはその業績でヨーロッパ中から尊敬されている監督だ。イギリスのチームによく勝つから、イギリス人には嫌われているかもしれないけど。彼の元でタイトルを目指してプレーすることにとても興奮しているよ」と語るフラッドは、予定よりも早くトゥールーズのプレシーズントレーニングに入った。「なるべく早くチームに慣れたいからね。数週間前からフランス語のレッスンも受けてるけど、そっちの方も増やすつもりだよ。チームメイトはめちゃめちゃ速く喋るから」と笑う顔に、薔薇のジャージへの未練はない。「状況をはっきり理解した上でここに来た。簡単ではなかったけどいい決断だったと思うよ」。

 

 代表では常に「ウィルキンソンの交代要員」の肩書きがついて回ったフラッド。共にプレーしたニューキャッスルファルコンズ時代からの大親友でもあるウィルキンソンは、フランスに来てその輝きを取り戻し、トゥーロンでのハイネケンカップとトップ14の2冠を置き土産に、昨シーズン35歳でスパイクを置いた。老け込むにはまだ早い。自身の第2章を描く時間は、また十分に残っている。

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