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2014−15シーズン トップ14チーム展望 –FCグルノーブル–

2014/08/14

 今年のグルノーブルの目標は、まず第一にシーズンに渡ってパフォーマンスを安定させること。トップ14に昇格した2012年以降ここ2シーズン、前半戦は見事な戦いを見せ上位に食い込むものの、2月以降に成績が一気に下降するという状況で、昨シーズンは1月末まで4位につけていたのが最終的には降格争いに巻き込まれ、11位に終わることになった。

 

 「クラブの目標はまずトップ14残留」と総監督のファブリス・ランドローは言ったあとで、拮抗するトップ14のレベルを強調する。「2年前は昇格したばかりの中で、リーグのレベルも高かった。昨年は上位も下位も非常に競った、狂ったようなシーズンだった。今シーズンはさらに難しくなると思う。どのチームも補強をしたし、昨年の昇格組は2チームとも残留を決めて、今年上がってくる2チームはトップ14バージョンのチームをつくっている。それに昨シーズン降格したのはビアリッツとペルピニャンという、一度も降格したことのなかった名門クラブだったことを忘れちゃいけない。どのクラブも安全とは言えないよ」。

 

 それでも、クラブが目指す先はもっと高いところにある。会長のマルク・シェレクは、「トップ14に昇格してから3年目に入る。ProD2で過ごした数シーズンの間に、トップ14に昇格して残留するだけのチームを作ることが出来た。今度の目標はトップ14の常連となって、ヨーロッパラグビーチャンピオンズカップに出場できるようになるまでチームを強化することだ(レギュラーシーズン6位までに出場枠 、7位はプレーオフ)」とクラブの長期的展望を語り、2014−15年のシーズンをクラブの新時代の幕開けと位置づける。

 

 プレシーズン初日は6月10日と、どのチームよりも早く始動。7月末にはラグビーチャンピオンシップの準備中だったプーマスのスパーリングパートナーとして、アルゼンチンラグビー教会から全額負担で招待を受け、地球の裏側で2週間の合宿を張り、代表チームと2つの練習試合を行った。新しいディフェンスシステムに選手がまだ慣れ切らず、試合は21−44、22−56と敗れたものの、セットプレーや接点での争いではプーマスと対等に渡り合いチームは自信をつけて帰ってきた。最後となったハーレクインズとのプレシーズンマッチでは、主力を欠いたとはいえ昨シーズンのプレミアシップ4位を31−10とホームのスタッド・デザルプで撃破し、チームは仕上がりの良さを見せた。ラシンメトロから移籍してきた、新しく司令塔に座るジョナタン・ウィズニウスキはラン、パスともにいいプレーを見せ、「プレシーズンは上手くいったよ。自信をつけるためにもどうしても勝ちたかった。それにここスタッド・デザルプだったから。出来るだけ早く残留を決めたかったら、ホームで勝ち点を稼がないといけないのはわかってる。それが今日は出来た。とてもポジティブだよ」と満足感を漂わせた。

 

 チームの支柱であるジョナタン・ベストが肩の怪我でシーズン絶望となったのは痛いが、元南アフリカ代表フルバックジオ・アプロン、ロックのポール・ウィレムス、スクラムハーフのシャルル・マクラウド、センターにはジャクソン・ウィリソンとスーパーラグビー経験者を軒並み獲得し、チーム力は昨年よりも確かに上がっている。20人近くを放出、15人近い新戦力を獲得し、大きくチームが変わったグルノーブルだが、長いプレシーズンのおかげでチームの和も深まった。クレルモン、モンペリエと、優勝候補との対戦でシーズンを迎えることになるが、だからこそ気負いもない。ハーレクンズ戦の勝利の後にフランカーのファビアン・アレクサンドルが、「クレルモンとの試合はまったく別物になるよ」と語った敵地での開幕ゲームが、シーズンを占う試金石となる。

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