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2014−15シーズン トップ14チーム展望 –アトランティック・スタッド・ロシュレ–

2014/08/21

 今季リヨンと共にトップ14に昇格したロシェル。言っちゃ悪いが、現状では降格候補一番手。

 

 2010年に1部昇格を果たすも、トップ14の高い壁に跳ね返されて13位に終わり1シーズンのみでの再降格となった後、「Grandir ensemble 2015 (共に成長しよう2015)」というスローガンを掲げて、チームの強化からスタジアムの改築までを含んだクラブ全体の成長を目指した5カ年計画に着手。新チームにはカストルに移りブレニュス盾を獲得することになるセルジュ・ミラスとダヴィッド・ダリカレールに替えて、パトリス・コラゾとファブリス・リベイロルという若いコーチ陣を据えると、ProD2でシーズンごとに5位、4位と着実にステップアップ。3位となった昨シーズン、昇格プレーオフでアジャンを破りついに1部に返り咲いた。

 

 シーズンオフには、ロックにエクスターから2mの巨漢ロマーナ・グラハムとNTTシャイニングアークスの元オールブラックジェイソン・イートン、第3列にはラシンメトロのジョン・クォヴとビアリッツのブノワ・ギュイヨを補強。バックス陣では、将来のトリコロールの10番という期待を背負いながら昨季トゥールーズで思ったようなプレーを見せられなかったジャン=パスカル・バラックとストーマーズのスタンドオフピーター・グラントに加え、NTTドコモからはシレリ・ボンボを獲得。おまけにスーパーラグビーで優勝を飾ったばかりのワラタスで昨シーズンブレイクした23歳のアロファ・アロファの獲得にも成功し、1450万ユーロという下から3番目のクラブ予算ながら「トップ14モード」のメルカートを展開。目標である1部定着に向けての準備を整えつつある。

 

 「ここ3年間たくさん練習してきた。もっとやらなきゃいけないことがあるのは確かだけど、おれは自分の選手たちを知っている。あいつらのポテンシャルと伸び代を知っているし、どんなスピリットを持っているかもわかっている。トップ14では当然ボンミスは許されない。でも、チームはまだまだレベルアップするよ」とヘッドコーチであるパトリス・コラゾは新シーズンに対する期待を語っていたが、プレシーズンマッチではかなりメンバーが変わった影響で新チームのディフェンスが機能せず2試合で6トライを献上。1部残留のために最も重要となる守備に不安を覗かせていたが、ブリーヴとの開幕ゲームでも至る所で脆さを露呈。前半終了直前に相次いで2選手がイエローカードを受けると、13人となった10分間で2トライを奪われ、その後もさらに2トライを献上し、1トライも奪えず最終スコアは37−15。同じく降格を争うライバルと見られているブリーヴにオフェンシブボーナスを献上した上、自らはディフェンシブボーナスも取れずにトップ14復帰戦を落とすことになった。

 

 この後トゥーロン、トゥールーズと優勝候補との対戦が続くスケジュールを考えると、ここで1点の勝ち点も奪えなかったのは痛い。続く2戦も同じような展開となると、チームの自信も揺らいでくる。目標である残留への望みを出来る限り長く保持したいのであれば、「ProD2から上がってきたんだから、一応最小限の確信はある。おれたちは偶然トップ14にいるわけではない。予定外のお客さんってわけではないんだ」というコラゾの言葉を、黄色と黒のジャージがいち早く証明する必要がある。

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