top of page

2014−15シーズン トップ14チーム展望 –スタッド・フランセ・ラグビー–

2014/08/23

 ブレニュス盾を獲得すること13回。1998年からの10年間で5度の優勝を果たし黄金時代を築いたスタッド・フランセも、20年近くにわたって会長を務め、心からラグビーを愛し、選手からも関係者からも愛されたマックス・グアジーニが2011年にその椅子を離れざるをえなくなって以来、その輝きを取り戻せずにいる。ここ5シーズンはプレーオフ進出すらままならず、昨シーズンは一時首位に立つもののその後ずるずると順位を下げ、最終節までプレーオフ進出の可能性を残しながらも結局届かず7位。ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(旧ハイネケンカップ)の出場権をかけたロンドンワスプスとのプレーオフも落とし、悲嘆にくれるシーズンとなった。

 

 「クラブ全体がそうだったように、僕自身も昨シーズンの失敗を忘れるのに苦労したよ。終わり方がよくなかったのは隠しようもない。ラグビーチャンピオンズカップのプレーオフで負けたのは本当に痛かった。チームが落ち込んでしまうんじゃないかと心配していたけど、選手たちは新鮮な気持ちで新シーズンに向けて集まってくれた。説明しづらいんだけど、日に日にチームがやる気になってきているのを感じる。傷口は塞がりつつある。あとは新シーズンの開幕に最後のひと針を縫うことになる」と、プレシーズンに話していたアルゼンチン人ヘッドコーチのゴンザロ・ケサダ。ヘッドコーチ就任2年目となる今季は、当然プレーオフと来季のラグビーチャンピオンズカップの出場権を目指してレギュラーシーズン6位以内が目標となる。

 

 新加入選手は5人と少なかったものの(ケガ人続出でクリスナン・イヌを追加)、メルボルン・レベルズからロックのヒュー・パイル、ビアリッツからは代表復帰を目指すラファエル・ラカフィア、カストルからはハーフのジュリアン・トマら、必要な補強は施した。スプリングボクスのスタンドオフモルネ・ステイン、フランス代表のパスカル・パペ、アレクサンドル・フランカール、アントワン・ビュルダン、ジュール・プリソンに、イタリア代表キャプテンセルジオ・パリセ。アメリカ代表スコット・ラヴァラに、昨シーズン鳴り物入りでやってきたディグビー・イオアネ、期待の若手ジョナタン・ダンティらと、5番目となるクラブ予算を持つチームに元々役者は揃っており、昨シーズン大ブレークしたフルバックのウーゴ・ボンヌヴァルがフランス代表のオーストラリア遠征の怪我で長期離脱となっても、チームのポテンシャルは高い。

 

 「6位を狙えない理由は僕には見当たらないし、リーグの中でも屈指のスタッフを持っていると思っている。今シーズンは自信がある。口だけじゃないよ。確かに不安もあったけど、今のチームのまとまりは僕に希望を与えてくれる。去年よりもチームとしても意識がはっきりしている」と開幕前に語っていたケサダの言葉を裏付けるように、チームは2連勝と最高のスタートを切った。傷口は癒えた。「犬のように戦うよ」。23歳のプリソンの言葉に偽りがなければ、スタッド・フランセ復活を告げるシーズンになる。

Please reload

Copyright (c) kosuke hakoyama. All rights reserved.
本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。

bottom of page