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ジェイク・ホワイト、地雷踏む。

2015/01/03

 会長のモエッド・アルトラッドによって停職処分に追い込まれた監督のファビアン・ガルティエに代わって、スーパーバイザーとして火曜日からモンペリエの指揮を執っているジェイク・ホワイト。2007年にはエディー・ジョーンズを従えて監督として南アフリカをワールドカップ優勝に導き、最近も2013年にブランビーズでスーパーラグビー準決勝、2014年にもシャークスで決勝まで進むなど世界でも有数の名将だが、フランス到着後初の公式会見で早速地雷を踏んだ。

 

 「トゥーロンはトップ14と欧州カップの2冠王者だ。だからこそ、土曜日私たちはトゥーロンとやりたいんだ。モントーバンのグラウンドで、5人のサポーターと犬1匹の前でプレーすることに興味はない。わかるだろ?」

 

 土曜日に控えたトゥーロン戦について訊かれ、居並ぶ記者たちの前でそうぶちまけた。 これがモントーバンサポーターの怒りを買った。

 

 現在は2部リーグのプロD2に沈むとはいえ、モントーバンは1903年創設、1967年にはフランスチャンピオンになっているフランスラグビー界の名門クラブ。未だブレニュス盾を触れずにいる1986年創設の新興クラブのモンペリエとは歴史が違う。ホームスタジアムのサピアックは時に行き過ぎのその熱狂さで知られ、今シーズンのここまでのホームの平均入場者数は6482人と、昨シーズン、1911年以来初めて2部に降格したフランス王者7度を誇るペルピニャン(10870人)と、今季2部でトップをぶっちぎるポー(8888人)に次ぎ、プロD2では3位で、今季のプロD2平均5174人を上回る。

 

  一方のモンペリエは、ホームの平均入場者数11969人と数字的には上回るものの、トップ14の平均(13269人)を下回り、1部では9番目の数字。スタジアムの雰囲気も熱狂さとまとまりを欠き、伝統のなさが臭う。

 

 そんなことを全く知らない南アフリカ人のワールドカップ優勝監督は、忠実なサポーターを数多く抱えるモントーバンをコケにした無分別な発言で、

 

 「たとえ5人と犬1匹でも、サピアックはモンペリエの悲惨な観客よりはよっぽどマシだ‼︎ ジェイク・ホワイトの馬鹿野郎、国に帰れ‼︎」

 

 「ホワイトはすぐに、モントーバンの5人と犬1匹の声援はモンペリエの2万人のそれよりよっぽど大きいことを知ることになる」

 

などど、一気に炎上。結局モンペリエは、二日後にホワイト、会長アルトラッド、クラブの連名で、公式ツイッターでモントーバンに対して謝罪する羽目に。

 

 「当然トゥーロンに対して敬意を持っている。彼らが成し遂げたことは偉大だ。でも私はこういうチャレンジを望んでいるんだよ」

 

と同じ会見の中で語っていたホワイト。だったら、モントーバンにももう少し敬意を払っておけばよかったのに…。っていうか、なんでモントーバンだったんだ。何ならラシン・メトロでも良かったのに。現在4位。ジョナサン・セクストン、ジェイミー・ロバーツ、テディ・トマら各国代表を揃え、パリ郊外という好条件にありながら、ダン・カーターが移籍する金満クラブの今シーズンのホーム平均入場者数は7089人。トップ14ではダントツの最下位で、モントーバンともほとんど差はない…。

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