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ラグビー界一のヒゲを持つ男、ついにそのヒゲを剃り落とす。

2015/04/01

 シックスネイションズ期間中に、ラグビー界一のヒゲ男として有名になったスコットランド代表プロップのジェフ・クロスが、昨日ついにそのヒゲをそり落とした。

 

「去年、グラスゴーにいた時にジョン・ストラウスに言われたんだ。『いいか、ジェフ。ラグビーをやめた後は医者として働くと言っているけど、見たところ、お前はここ数日ひげを剃ってないだろ。背中の痛みを治してもらうために医者に会いにきて、もし髭もじゃの男がいたら、嬉しいと感じる患者はあまりいないと思うぞ。だから、これがお前の人生でヒゲを伸ばせる唯一の機会だ。このチャンスを掴まないと』って。それについて真剣に考えたことなんてなかった。直感的に、何かばい菌に感染したりするリスクは考えられる。病院に行って、ヒゲについての感染予防の彼らの方針を訊かないといけないね」

 

 ヒゲを伸ばし始めたきっかけについてそう話していた医師免許を持つ32歳のクロス。そのヒゲは、一年越しの努力(?)で「鳥が住む」と言われるまでに立派に成長し注目の的になっていたが、チャリティーのために別れを告げることを決断。

 

「ここ数週間は、まだ伸ばし続けるつもりでいたんだけど、1年間伸ばしっぱなしにしていた結果、ますます大きくなる妻からのプレッシャーもあり、この悪名高いひげをチャリティーのために剃り落とすことに決めた。でも、ひげ剃りに向かい合う前に、おれたちは1万ポンド集める必要があるんだ」

 

 自ら開設した寄付を募るためのサイトでそう宣言したクロス。募金は、イギリスの貧困層の子供達をラグビーを通してサポートするチャリティー団体『ウッデン・スプーン』のためのもので(ウッデン・スプーンというのは、シックスネイションズを全敗したチームに贈られる木の匙のこと。これまたいかにもスコティッシュ)、同時に同じチャリティーの一環で、この4月に北極点まで100マイルを7日で走破し、最北のラグビーマッチを計画している元チームメイトのジョン・ヒューストンをサポートするため。

 

 ハリー・ポッターシリーズに登場する魔法使いルビウス・ハグリッドを彷彿させる容貌で、作者のJ・K・ローリングからは5000ポンドの寄付を得ることに成功していたクロスだが、1万ポンドの大台達成を目指し、自慢のヒゲをチャリティーに。火曜日、所属するロンドン・アイリッシュのクラブハウスでは、相撲の断髪式のごとくチームメイトがそのヒゲにはさみを入れると、すっきりした全く別人のクロスが。この宣伝活動もあり、サイトと合わせてクロスが集めた寄付は目標の1万ポンドを突破。ファンからは賞賛の声が届くとともに、ラグビー界一のヒゲ面の消失を悼む声も相次いだが、

 

「妻は大喜びだよ。彼女は辛抱強いけど、さすがに忍耐を必要とする長い1年だったからね」。

 

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