top of page

イングランド代表、ワールドカップに向けて50人もの候補選手を発表。

2015/05/30

プロップ

キーラン・ブルックス(ニューカッスル)

ダン・コール(レスター)

アレックス・コルビシエロ(ノーサンプトン)

ルーク・コーワン・ディッキー(エクスター)

ジョー・マーラー(ハーレクインズ)

マット・ミュラン(ワスプス)

マコ・ヴニポラ(サラセンズ)

デイヴィッド・ウィルソン(バース)

 

フッカー

ディラン・ハートレー(ノーサンプトン)

ロブ・ウェバー(バース)

トム・ヤングス(レスター)

 

ロック

デイヴ・アトウッド(バース)

マロ・イトジェ(サラセンズ)

コートニー・ローズ(ノーサンプトン)

ジョー・ランチバリー(ワスプス)

ジョージ・クルース(サラセンズ)

ジェフ・パーリング(レスター)

エド・スレイター(レスター)

 

フランカー

カラム・クラーク(ノーサンプトン)

ジェームズ・ハスケル(ワスプス)

マット・クヴェシッチ(グロスター)

クリス・ロブショー(ハーレクインズ)

トム・ウッド(ノーサンプトン)

 

ナンバーエイト

ニック・イースター(ハーレクインズ)

ベン・モーガン(グロスター)

ビリー・ヴニポラ(サラセンズ)

 

スクラムハーフ

ダニー・ケアー(ハーレクインズ)

リー・ディクソン(ノーサンプトン)

リチャード・ウィグルスワース(サラセンズ)

ベン・ヤングス(レスター)

 

フライハーフ

ダニー・シプリアーニ(セール)

オーウェン・ファレル(サラセンズ)

ジョージ・フォード(バース)

スティーブン・マイラー(ノーサンプトン)

ヘンリー・スレイド(エクスター)

 

センター

ブラッド・バリット(サラセンズ)

サム・バージェス(バース)

ルーサー・バレル(ノーサンプトン)

エリオット・デイリー(ワスプス)

カイル・イーストモンド(バース)

ジョナサン・ジョセフ(バース)

ビリー・トゥウェルブトゥリー(グロスター)

 

ウイング

クリス・アシュトン(サラセンズ)

ジョニー・メイ(グロスター)

デイヴィッド・ストレットル(サラセンズ)

マーランド・ヤード(ハーレクインズ)

 

フルバック

マイク・ブラウン(ハーレクインズ)

アレックス・グッド(サラセンズ)

ジャック・ノウェル(エクスター)

アンソニー・ワトソン(バース)

 

 

 

 5月20日にスチュアート・ランカスターが発表したワールドカップ合宿の招集メンバーは以上の50人。

 

「国内条項は、イングランドラグビーを短期、中期、長期にわたってサポートするために設定された。私は全面的に支援してきたし、スタッフ全員が重要なものだと思っている。全ての代表選手がイングランドのクラブでプレーしているのを見たいし、イングランド代表監督として、イングランドラグビーの健康を守る責任があると信じている」

 

 発表前にイングランドラグビー界を真っ二つにしていた、「特例」を用いての海外(今回はフランストップ14)でプレーするイングランド選手の招集を、大方の予想通りランカスターは見送った。昨年の欧州最優秀選手で、今季も最終候補の5人に残ったステフォン・アーミテージは、シーズン中にはイングランドラグビー協会とバースが手を組んでトゥーロンからのレンタル移籍まで図ったのだが、結局今季の欧州最優秀選手に選ばれたクレルモンのニック・アベンダノンとともに選外に。

 

「難しい決断だったけど、今は正しい決断だったと信じているよ。始めから私の姿勢は一貫していた。もし国内条項を変更したら、多くの選手がフランスのクラブに行くことになるだろう。個人的には、選手が海外に出れば出るほど、代表には痛手になると思っている」

 

 代表チームとプレミアシップの各クラブが手を組み、練習から試合まで選手の全ての個人データを共有し、代表で最高のパフォーマンスが発揮できるようシステムを作り上げてきたイングランド協会だが、フランスのクラブとはそれが不可能。また、プレミアシップとは協定を結び、選手の「レンタル料」として補償金を払うかわりに、ワールドラグビーの定めた代表招集期間以外の選手の拘束も可能となっているが、トップ14とはその協定はないので、思うような招集が難しくなる。気候のいい南仏のトゥーロンに行って度重なる怪我から蘇ったジョニー・ウィルキンソン同様、長い間代表に呼ばれずイングランドを離れた後で、新天地でその才能を花開かせたアーミテージとアベンダノンだが、残念ながら実力以外の壁に最後のワールドカップの可能性を断たれることになった。

 

 二人の選外も含めて、リストのメンバーはほぼ大方の予想通り。

 

 発表直前に女性警官を暴行し罰金刑を受けたマヌ・ツイラギに関しては、「マヌに関しては残念としか言いようがない。彼自身にとってもイングランドにとっても。先週はタフな一週間だった。でも、これが正しい判断で正しい姿勢だろう。怪我が完治するかは問題じゃない。重要なのは、見本となるべき選手達のグラウンド内外での振る舞いだ」と、選択の余地はなし。

 

 また、プレピアシッププレーオフ準決勝のサラセンズ戦でサラセンズフッカージェイミー・ジョージにヘッドバットをお見舞いし、4週間の出場停止を受けたノーサンプトンフッカーディラン・ハートリーのスコッド除外が今日発表され、ヘッドバットを受けたジョージが代わりに招集されることになった。

 

 アーミテージ同様、シーズンを通して注目を浴びていたのが、今季リーグラグビーからユニオンにスイッチし、鳴り物入りでバースに加入したサム・バージェス。センターでのプレーでは15人制への適応に手こずり思うようなプレーが出来ずにいたが、シーズン終盤に6番にコンバートされやっと実力に見合ったパフォーマンスを披露。何とかこのメンバー発表に間に合った。

 

「ほんとうに滅多にないシチュエーションだよ。もし唯一比べられるとしたら、ワラタスのマイケル・フーパーのプレースタイルかな。彼は今、ほとんどハイブリッドセンターとしてプレーしている」

 

 肝心のポジションについては、「今のところオープンマインドでいるよ。私たちは彼がセンターでプレーできると信じている」と、カイル・イーストモンドとジョナサン・ジョセフが並ぶプレミアシップ一のバースのセンター陣の中ではプレー時間が得られなかったのもやむなしとの見解を見せ、当初の予定通りイングランドに欠けている大型センターとして育てたい意向も見せた。

 

 サラセンズでロック、フランカーとしてプレーする二十歳のマロ・イトジェがちょっとしたサプライズ。ランカスターも「ワイルドカード」と表現したが、週末に行われるプレミアシップ決勝に駒を進めたサラセンズでプレー時間を確保。そのプレー内容を見れば異論はない。

 

 今シーズン、センターに固定されワスプスでその才能を一気に開花させた22歳のエリオット・デイリーと、エクスターでスタンドオフ、センター両ポジションでプレーしキッカーも務め、今季のプレミアシップ最優秀若手選手に選ばれた同じく22歳のヘンリー・スレイドが、ツイラギの落選もあり最後の最後でメンバー入り。

 

 すでに36人に絞ったリストを発表したフランスとは異なり、50人ものリストでは現時点でワールドカップに実際に臨む31人を想像するのはちょっと難しい。ランカスター自身も、「確かに、『ああ、彼らは決定だ』と言ってもいいかもしれない選手も何人かいるけど、ほとんどの選手に関しては『まあ、見てみよう。私たちはオープンマインドだ』というコメントになるよ」と、最終的なセレクションは合宿の出来次第であることを強調。

 

 また、このリストに入っていない選手に関しても、まだワールドカップに行くチャンスは残されていると明言。 今季プレミアシップで3位タイの12トライをマークし、現在プレミアシップで最もファンタスティックなウイングと誰もが認めるクリスチャン・ウェイドは、31日のバーバリアンズ戦での先発が決まっており、早速アピールの機会を与えられることになる。現在怪我で戦列を離れているエクスターのブラインドサイドフランカーデイヴ・エワーズ、ノーサンプトンフルバックベン・フォデン、サラセンズスクラムハーフジョー・シンプソン、レスターフランカートム・クロフトにも、まだワールドカップへの扉は開かれていると会見で名を挙げた。

 

 国内条項にこだわり、ツイラギとハートリーを追放することで、最高の選手を集めることではなくチーム全体、イングランドラグビー界全体の和を重視したチーム作りをすることを選んだランカスターイングランド。大会開幕を告げる初戦のフィジー戦は9月18日。

 

「フィジー戦でファーストチョイスのメンバーを先発させなかったら大馬鹿者だよ」

 

 そう語るランカスター。選手にとっては、7月頭からのデンバーでの高地合宿で、最終メンバー入りに向けたサバイバルが始まる。

Please reload

Copyright (c) kosuke hakoyama. All rights reserved.
本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。

bottom of page