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女子ラグビーワールドカップ、パリで開幕

2014/08/01

 8月1日から17日まで、7回目となるラグビーの女子ワールドカップが、フランス、パリで開催される。出場国は開催国となるフランスに加え、イングランド、カナダ、スペイン、サモア、アメリカ、アイルランド、カザフスタン、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、ウェールズの12カ国。他の女子スポーツの人気もあるが、男子ラグビーの人気に比べるとずっと露出の少ないフランスの女子ラグビー。選手や関係者は今回のワールドカップを、フランス人、そしてフランスラグビー界そのものに蔓延るラグビーは男のものという「マッチョ」な偏見を打ち破り、女子ラグビーの人気拡大に繋げるべく意気込んでいる。

 

 今年のシックスネイションズではグランドスラムを達成したフランス女子代表チーム。イングランド戦では9000人を超える観客を集め、キャプテンであるガエル・ミニョが言うように「自分たちが結果を出せば、もっと注目してもらえる」ことははっきり自覚している。今大会、予選リーグは残念ながら1000人規模のスタンドしかない、パリ近郊マルクシスの国立ラグビーセンターで行われるが、初日のチケットは完売。準決勝以降はトップ14の名門スタッド・フランセのホームグラウンドである20000人収容のパリのジャン・ブワンスタジアムでの試合となり、当然「ブルー」の選手たちも大観衆の前でのプレーを熱望しモチベーションは高い。

 

 テレビ放送に関しても、民放のフランス4がフランス代表の試合はすべて生中継。他の試合に関しても、ほとんどの試合をユーロスポーツが生でカバー。女子ラグビーの普及にやっと腰を入れ始めたフランスラグビー協会の意欲も垣間見える。現在のフランスにおける女子ラグビーの競技人口は12785人。ここ4年間で30パーセントの増加と、いまだに代表選手でもアマチュアの域を出ない環境の中で大きな成長を見せており、このワールドカップで好結果を残しメディアの注目を得ることで、更なる起爆剤としたいところ。

 

  「トロフィーを持ち上げることを夢見ているけど、まずは1戦1戦を大事に、1次リーグを突破すること」とトリコロールの目標をミニョが代弁する。 優勝候補は、現在大会4連覇中の「ブラック・ファーンズ」ことニュージーランド代表。筋肉一本槍の接点のバトルよりも洗練されたパスとランによる展開ラグビーを好み、男子よりも遥かにフレンチフレアーを見せるフランス女子代表が、どこまでイングランド、ニュージーランドに迫れるかが今大会の成功の鍵を握る。今年のシックスネイションズまで代表キャプテンを務め、度重なる脳しんとうによるドクターストップを受けワールドカップを前に引退を余儀なくされた美人スクラムハーフマリー=アリス・ヤエが語る。「私たちは、何もないところから始めた。このワールドカップで、得るものはあっても失うものは何もない」。不振を極めメディアとファンの集中砲火を浴び続けている男子代表に代わり、「女らしい」ラグビーでファンの心を掴めるか。

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