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シックス・ネイションズ2014 ジュール・プリソン —初キャップの22歳はフランスの救世主になれるのか—

2014/01/31

 「あの金髪小僧、2015年のワールドカップ行くよ。おれが宣言する。ワールドカップ行って、優勝するって !!」

 

 フランス対イングランドとのシックスネイションズ開幕戦を2日後に控え、両チームのスターティングメンバーが発表された30日夜、 ヴァンサン・モスカート(元フランス代表フッカー。現在はコメンテーター、俳優、コメディアンとして活躍)は自身のラジオ番組で叫んでいた。

 

 「1年間で最も威厳あるテストマッチ」であるクランチの先発スタンドオフに、初キャップながら指名されたフランスの「金髪小僧」とは、今季フランスのトップ14で首位を走るスタッド・フランセで南アフリカ代表モルネ・ステインとポジションを争う22歳、ジュール・プリソン。

 

 ここ4試合でトリコロールの先発の10番を任されていたレミー・タレスは直前に首の怪我、昨年のニュージランド遠征で代表デビューを果たし、今季から移籍したペルピニャンでも好調振りを見せていたカミーユ・ロペスは膝の負傷で既に今季絶望。48キャップを誇るフランソワ・トランデュックはタレスの怪我を受けて合宿に合流したばかり。フランスの永遠の希望であるフレデリック・ミシャラクは、トゥーロンではジョニー・ウィルキンソンとマット・ギトーに押しやられスクラムハーフとして使われている上、今季不調。ちょうど1年前、最下位に終わったシックスネイションズの直後に、フランスには世界レベルのスタンドオフがいないと嘆いていたフィリップ・サンタンドレにとってはこれ以上ない苦境かとも思われたが、その声に暗さはない。「完全に信頼しているよ。ここ18ヶ月でのスタッド・フランセでのパフォーマンスを見ればわかるし、練習でも同様だ」。その若さと国際経験の不足に関しては、「若いけれど、技術的な面も戦術眼に関しても、とても高いものを持っている。クランチを戦うわけだけど、どっちにしたっていつかは始めないとね」とまったく心配はしていない。

 

 シーズン前は、ステインの加入によりクラブでベンチに追いやられることも危惧されたが、新監督ゴンザロ・ケサダの元で復活したチームを見事に牽引し、個人的にも今季既に4トライ4ドロップゴールと好調、ステインをベンチに追いやるほどの活躍である。

 

 プリソンが模範とするジョニー・ウィルキンソンが、2003年のワールドカップファイナルで延長終了間際のドロップゴールをオーストラリア相手に沈めたのが24歳の時。2年後のイングランドで同じ24歳を迎えている金髪の「青年」は、フランスに悲願のウェブ・エリス・トロフィーをもたらすことが出来るのか。夢の始まりは、明日始まる。

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