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「自分たちを解き放ついい機会だ」−ウェールズ戦を控えるフランス代表−

2015/02/23

 2011年のワールドカップ後にブルーの監督に就任以来、フィリップ・サンタンドレの6ネイションズでの成績は4位が2度に、2013年のまさかの最下位。選手時代は5カ国対抗を自らの庭の様に走り回った名ウイングは、今年3位以内に入らないと、その就任期間中に初めて一度も表彰台に上がれなかったフランス代表監督となってしまう。「去年は最後の5分で大会が決まった。もしアイルランド相手にもう一つペナルティゴールを決めていたら、同率1位だった。ただそれを外したから4位に終わってしまったけど」と、結果ほど内容は悪くないことを主張するも、出ない結果と、パスのできない突撃センター陣をそろえた布陣に象徴される面白みのない筋肉ラグビーで、今やファンの支持も離れるばかり。

 

 大会初戦では、フレンチサポーターが格下と見ていたスコットランドに辛勝。イングランドと並ぶ優勝候補のアイルランド相手には、ノートライに押さえ両チーム通じて唯一となるトライもマークしたものの、大事な場面でのパスカル・パペのイエローカードが響いたのもあり惜敗。サポーターに新たな希望を与えることはできていない。ファンの信頼を取り戻すためにも、上位争いに残るためにもウェールズ戦は負けられないが、フランスメディアでもウェールズ有利の悲観論が強い。「負けるつもりはないよ。反対だ」と日曜日の会見で語ったサンタンドレだが、監督就任以来ウェールズには3戦3敗。「やる気だよ。チームもすごく良くなっていると感じている。アイルランドでは、ほんの少しだけ足りなかった。この流れを続けたい」。アイルランド戦とウェールズ戦の間は2週間開き、間に挟んだ先週末の土曜日にはトップ14の第18節が開催された。代表メンバーのうち22人がプレーし、日曜、月曜はリカバリーにあてられる。ほとんどの代表選手をキャンプ地においたまま継続した準備ができるウェールズとは条件が若干異なる。「今週は短い一週間だ。時間がないからアイルランド戦の見直しはあまりしない。まずは多くのビデオ分析でウェールズ戦の準備にすぐ入るよ」。メンバー発表は水曜日の朝。

 

 サンタンドレの言葉を支持するように、キャプテンのティエリー・デュソトワールは、ウェールズ戦を、プレッシャーから解き放たれて、フランスらしくプレーするいい機会だと見る。「ここ数年は難しかった。自信を積み重ねないといけない若手との融合期間だけど、彼らは思い切って自由にプレーすることも学ばなきゃいけない。来週末の相手はたくさんボールを動かすし、相手が本命と見られているから、自分たちを解き放ついい機会だよ」と語り、ホームのアドバンテージも強調。「もしいい試合ができるならいいことだし、それをやるにはいいタイミングだ。幸運にも自分たちのサポーターの前でプレーできる。アイルランド戦の後半で見せたのと同じ思い切りの良さと強い意志を見せるようにしたい。熱い内容でみんなを魅了したアイルランド戦の後半をいかして、当然勝つつもりでプレーするよ」。

 

 アウトサイダーのフランスほど怖いものはないのだが、今回はどうなるか。

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