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また、奇策?ウェールズ、ガトランド就任以来初めてミレニアムスタジアムの屋根を開くことを求める

2015/03/12

 どちらか一方のチームが屋根を開くことを望めば、試合は屋根が開いた状態で行われる。これがミレニアムスタジアムのルール。

 

 ウォーレン・ガトランドが2007年に監督に就任して以来、ホームのウェールズが屋根を開いた状態でプレーすることを求めたことは一度もなかった。理由は、屋根を閉じた時には世界中のスタジアムの中でも一番の「騒音」をマークするというミレニアムスタジアムの雰囲気で、アウェイチームを飲み込むため。確かに、試合前の光線ピカピカのライトアップ、立ち上る炎や花火を含めた演出も合わせて、屋根の閉じたミレニアムスタジアムの雰囲気は特別。それが今回初めて、アイルランド側の決断を待つことなく、ウェールズ代表から屋根を開くことを求めた。

 

「天気予報によれば週末はいい天気のようだし、そう望んでいる。屋根が開いた状態でプレーすると知りたかったから、早めに決めた。このコーチング体制になってからは初めてだと思う」

 

 ウェールズのアシスタントコーチロブ・ハウリーは言うが、大会初戦のイングランド戦の2週間前にはガトランドがわざわざ、「屋根を閉じる挑戦を受けてくれたらいい」とスチュアート・ランカスターを挑発するほどのこだわりようで、今回の決断は各国のラグビーメディアの間で大きな話題に。

 

 午後早い時間のデーゲーム。屋根が開いているかどうかは、両チームのゲームプラン、特にキックの判断に影響してくるはずで、空中戦の出来が勝敗を大きく左右することになる。ディフェンスコーチのショーン・エドワーズは、アイルランドのジョナサン・セクストンとロブ・カーニーが北半球でもベストの状況判断力と技術を持ったキッカーだと認めつつも、ウェールズ選手がスコットランド戦で見せた空中戦での強さを賞賛。ハウリーも同調する。

 

「空中戦の準備はしてきた。みんなキックの嵐のようなことを言っていたけど、ブリッツディフェンスを攻略する手段の一つがキックだ。みんなわかっているように、土曜日は間違いなく蹴るよ。そんなにスペースはないだろうから、何とか作り出さないといけない。ジョニー・セクストンとコナー・マレーがやるように、その大部分はうちのハーフ団の仕事にかかってくる」

 

 アイルランドが勝てば、グランドスラムに王手。ウェールズは勝てばタイトルレースにかろうじて残るものの、負ければ優勝の可能性は消える。両チームとも絶対に勝ちが欲しい一戦を前に、自らも1998年から2001年までアイルランド監督を務めたガトランドが言う。

 

「ここ数年は力も拮抗しているし、両チームの間に嫌悪感や敵意はない。ただ、しょっちゅう対戦してお互いよく知っているから、強いライバル心があるのは確かだよ。裏庭で兄弟と遊ぶみたいなものだ。いつだって勝ちたいし、土曜日は間違いなくそうなる」

 

 土曜日の天気と豪華すぎる裏庭での勝負の行方はいかに。

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