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Top14(トップ・キャトルズ)

 14クラブからなるフランスのプロラグビー1部リーグ。2部リーグにあたるPro D2(プロ・デ・ドゥ)の16クラブと合わせた30クラブが、「エリート」と呼ばれるプロリーグを構成する。ちなみに、フランス国内での地域ごとのラグビー人気を反映して、パリの2チームを除く28チームは、すべてフランスの南半分に存在している。つまり、フランス北半分には、パリを除いてプロのラグビークラブは存在しないことになる。

 

 シーズンはポイント制で、ホーム・アンド・アウェーの総当たり戦で行われ、13位と最下位のチームが自動的にPro D2に降格する。勝利4ポイント、引き分けには2ポイントが与えられ、負けた場合は0ポイントとなる。それに加え、相手チームよりも3トライ以上多くマークした場合には、ボーナスポイントとして1ポイント、また7点差以下の敗戦にも、ボーナスポイントとして1ポイントが与えられる。シーズンは8月半ばに開幕し、5月末または6月頭にパリのスタッド・ド・フランスで行われるプレーオフの決勝で幕を閉じる。プレーオフにはレギュラーシーズン上位6チームが参加し、4位と5位のクラブ(4位チームのホーム)、及び3位と6位(3位のホーム)が試合を行い(1試合)、それぞれの勝者が、1位チーム、2位チームとの試合を中立地で行い(1試合)、決勝へと進むチームを決める。

 

 優勝したクラブに贈られるのは、木製の板にはめ込まれたブレニュス盾(Bouclier de Brennus) 。選手やファンの間では親しみを込めて「木の切れ端(le bout de bois)」と呼ばれる盾は、フランスにおけるラグビーの普及に尽力を尽くしたクーベルタン男爵によって描かれたデッサンを元に、彫金師であり自らもラグビーの選手、審判としてもグラウンドを駆け、1892年に創設された現在のトップ14の始まりとなったリーグ機構の要職を占めていたシャルル・ブレニュスが作製したもの。ちなみに、現在勝利チームに贈られるものはレプリカであり、オリジナルはフランスラグビー協会の博物館に飾ってある。1892年の最初のシーズンは、ラシン・クラブ・ド・フランスとスタッド・ド・フランセの1試合のみが5月20日にパリのブーローニュの森で行われ、クーベルタン男爵自らが審判を務めた試合に4対3で勝ったラシン・クラブが、最初のブレニュス盾を手にすることになった。

 

 以降、二つの対戦による中断や、1995年のラグビーのプロ化によるリーグの再編を経て、2005年に現在の14クラブにおける形となっている。

 

 2014年1月、フランスラグビーリーグは2014−15年シーズンから2018−19年シーズンまでの5年間の放映権契約を、有料民放局であるカナル・プリュスと新たに締結したことを発表した。90年代半ばからトップ14を放映し続ける長年のパートナーからリーグに支払われる金額は、総額355ミリオンユーロ(約495億円 )。クラブの年間予算はここ10年で3倍となり、観客動員数は5年間で50%増を見せている。2013−14年シーズンのトップクラブの予算は、スタッド・トゥールーザンが約35ミリオンユーロ(約49億円)、クレルモンが約27ミリオンユーロ(約38億円)、それに25ミリオンユーロ(約35億円)のスタッド・フランセが続く。1部2部を合わせた30クラブの選手の平均月収はおよそ1万ユーロ(140万円)。トップ3は、ジョニー・ウィルキンソン(790万円。以下ともに月収)、ジョナサン・セクストン(730万円)、ブライアン・ハバナ(700万円)。元々国内ではサッカーに次ぐ人気スポーツであり、2007年W杯の開催にも後押しされ、ラグビーの社会的地位は、日本とは比べ物にならないほど高い。また、近年ラグビー界以外で若くして成功した「ニューカマー」が経営者としていくつかのクラブに大きな資本をもたらし、フランスのトッププレーヤーを国内リーグに留まらせつつ、他国から質の高い選手を呼び寄せることの出来る環境が整い、名実共に世界最高峰のリーグの1つとなりつつある。

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